Gallery

み熊野の~祭礼~

私自身は「民俗学」を深く研究する身であります。
民俗学は簡単に申せば、人間の心の考古学、昔の人がどんな思考をしてどう生きていたか、そんな学問です。
我が写真のテーマである「祈り」についても、その視点無くしては成立しないと思っています。

祭礼や儀式は、古文書同様に現代の私たちに多くのことを語りかけてくれます。
そして、私たちにちょっと不思議な光景を垣間見せてくれる時でも。

空一面を覆う鱗雲、私は熊野速玉大社の例大祭を撮影しておりました。
いよいよ神事が始まろうとするその時に、東の空から真っ直ぐに棒のような?蛇のような?一筋の雲が
鱗雲の中央を突き刺して(思わずパシャっと1枚)。
その刹那、宮司が入場され例大祭が始まります。ふと気がつくと空は一面青空。
まるで龍が飛来したかのような。。。(いやいやただの自然現象、偶然です)

後日、文献をあたって腰を抜かすことになるのですが、
そもそもタイミングが良かっただけの偶然ですので。
ただ、科学知識の乏しかった時代を思うと、この偶然を無視はしたくないと感じます。
腰を抜かした話、そしてその知見を持って
もう一度「熊野信仰」のありようを見つめ直して得た新たな視座については
またどこかでゆっくりとお話ししたく存じます。

…………………………………………………..

※写真の無断使用を禁じます。
使用をご希望の方は、別途規約がございますのでご検討いただければ幸いです。
ご相談はこちらをご覧ください。

CATEGORIES

Kumano