Okinawa Monochrome008 ある日の朝の事

mhpmw130

ある日の朝の事
 
沖縄の離島、宮古島。

まだ日ものぼらない時間、よせてはかえす波の音に目を覚ます。
一人部屋を出て、カメラ片手に浜辺に出てみる。

あたりはまだ暗く、
ザザー。。。シャラララ。。。という珊瑚のかけらが生み出す独特の波音が響くだけだった。
その音色はなんとも心地よく、誘われるままに僕は波に近づく。

僕は、ハッセルブラッドといってプロ用のやや大きなカメラを手にしていた。
普通の人なら三脚を立てじっくりピントを合わせて撮る類いのものだ。
露出計ももたず出たから、おそらくは
ただふらりと明け方の海岸散歩だったのかも知れない。
 
周囲が明るくなり始めた頃、何枚かシャッターを切った。

その時。
不意に音が遠ざかる。
ザザー。。シャラララー。。。は、いつしか聴こえなくなった。
目の前から色が消えた。
波が寄せてくる様は、まるでスローモーションのようだった。
 
ファインダーと通して見える世界の中に
吸い込まれる。
僕は、ただ夢中でシャッターを切っていた。

フィルム1本(12枚)を撮り終えた時、我に返る。
 
東の空からは大きな太陽が昇ろうとしていた。
浜辺は、何もなかったようにザザー。。。シャラララー。。。を繰り返していた。
 
僕がモノクロームで写真を撮るのは
わざわざ他の手法と比べて被写体にあわせたセレクトをした訳ではなく
ただただ、この日この朝の出来事に由来している。
 
音が消え、色が消えた瞬間に見た世界。

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