クロスプロセス 001

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カラーネガのセルフプリントに凝っていた次期がある。
 
印刷原稿としてはポジ(リバーサルやスライドともいう)が基本であった時代
「あえて」ネガで撮影し、暗室でセルフプリントし納品するのだ。
反射原稿という言い方をしていた。
 
こだわり派の方法論だった。

時に「あえて」反射原稿でやる意味合いを
クライアントに理解してもらうために、
こんなこともできるんだぜ、かっこいいでしょう的な
特殊技法を織り交ぜてみることもあった。
 
「クロスプロセス」はその一つだった。
ポジフィルムを、わざわざネガ現像し、
そのネガ画像からプリントするのだ。
 
現像液が痛む事から普通は御法度の方法論ながら
そっと現像所にお願いしてやってもらう。
毎月たくさんのお金を現像費に使っているカメラマンと現像ラボの、言わば裏メニュー的であった。
 
クロスプロセスの効果は、フィルム銘柄によって差異があるのはもちろんだが
一般的にハイコントラストになって、彩度が増す。
カラーバランスは崩れ、正解となる色味がない分
撮影者のセンスが問われる。
そこがまた僕らの見せ場でもあったのだ。
 
この往年の裏メニューは、
今では普通に写真店の現像メニューに入っている。
ネガ現像を大量に受注している繁盛店なら
現像液はたえず新液補充されるわけで
現像液が汚れるリスクもない。
 
そして驚く事に、クロス用のフィルムまで売られていた。
 
そもそもフィルムは化学変化の要素が大きい代物だ。
クロスは、変化球だし異端だが、
化学変化をダイレクトに感じ、それを受け入れたりコントロールしたりという
フィルム撮影の根源的なところを楽しむ愉快な方法論なのかもしれない。
 

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