あらゆるデジカメを

L1001190

駆け出しの頃、毎日毎日、ハッセルブラッド一やライカを担いで仕事をしていた。
当時、このカメラは前時代のものであり、使っている人は珍しかった。
しかも、無名である自分に、このカメラが活きる現場は用意させていなかった。
 
売れっ子の忙しいタレントさん相手に、
そんなに多くの時間はもらえない。
現場だって、行ってみなければ分からない。
 
多くの仲間は、35ミリ・オートフォーカス一眼レフカメラにクリップオンストロボで
バウンス機能なんかを駆使して頑張っていた。
クオリティーは十二分だから、それでいい。
駆け出しが担当するページ、扱いの大きさだってたかが知れている。
むしろそうするべきだったのかもしれない。
 
だが、どうしてもそれが出来なかった。
自分はこっちなんだ、と譲らなかった。
若かった事もあるが、確信があるのだから、しかたがなかろう。
 
そうとなれば、非常に素早く、しかも確実にできる方法論を確立するしかない。
知恵を働かせ、工夫をし、ないものは作る。
ライティングもそれにあわせて開発し続けた。
時間がなくても、どんな現場でも、行けるようなシステムを。
 
何事もなく現れて、何事もなく普通に撮って。
考え抜いているから、現場で慌てる事もない。
10分しかなくても、ポラを撮ってから少し話をする余裕がある。
カメラマンの余裕は、現場全体のムードに大きく影響する事を知った。
 
最初に反応してくれたのは、被写体側であった。
雑誌などで他のページと比べて、光り輝き方が違うのだ。
それもそのはず、表紙やポスターのクオリティーだ。

それはタレント指名という形で、次の仕事を生んだ。
しばらくして、表紙巻頭グラビアなど、舞い込むようになって行った。
 
自分を育ててくれたのは、カメラであり、
それを現場で使いこなす工夫をする事で、
よりエッセンスが凝縮された。
 
・・・・・・・・・・・・・・
 
今、その事を思い出す。
 
デジタルの時代になって、僕はどうだろう?
 
一般的評価、使いやすさ、便利さ、そんなことを基準にしていないだろうか。
自分の目で判断しているか。
工夫を、知恵を、怠っていないだろうか。
欠点を見るのではなく、優れた一面を見据えているのか。
 
自問自答している。
 
ここ数日、出来る限りたくさんのデジカメをテストだ。
曇りな眼で見つめている。
 
次の扉を開くため。

 

 

 

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