「残す」「アーカイブする」ことへのこだわり

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意識し始めたきっかけの話から。

…………………….

数年かけて、地元東京の大田区、町工場の集積地で、その匠たち100人を撮った。
世界最先端の技術、だけど、油まみれだったり、おしゃべり好きのおっちゃんだったり。
私の父は町工場の経営者だった。
時に亡き父を思い、運命を感じたりもした。

匠の技術はすごい。極限まで高めた精度を、手作業で出す。
でも、それは彼らだからできることで、今はコンピューター制御のNC工作機になってきている。
近い将来、私たちの思い描く町工場の姿は、無くなることだろう。
それは取材期間の何年かでも大きく変化していく様子が見て取れた。

いつしか、このプロジェクトは今の工業・ものづくり・職人・町工場、それらをしっかり撮影して
後の世に「残す」使命があるなと感じるようになった。
だから、私は、頼まれてもいないカットを沢山撮った。
だるまストーブの上の缶コーヒー、壁にかかったAMラジオ、床に散らばったキリコ、
神棚の下に置かれた大事な工具、注油の瓶、よく触れるところだけ光っている操作ハンドル
傷だらけの安全靴、油まみれの軍手。。。
しっかり残すのだと、しきりに思っていた。

……………………………..

「残す」ことへのこだわりは、次第に強くなっていった。

私は古の記録が全く残っていないような自然信仰や、
土地土地に刻まれた痕跡など
いわば「祈りの原風景」撮影をライフワークとしている。
(写真集「バリの祈り」はまさにそうだし、沖縄を撮った「珊瑚の記憶」シリーズは視線をもっと太古に向けたものだ。)

今まさにこの流れを汲んだ新作シリーズ撮影に入っているのだが、
思い切って「アーカイブする」ことに重きを置いた。

テーマや手法についてはまたおいおい語っていくこととしよう。

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